日越@漢字交流
ベトナムと日本はともに中国(漢字)の影響を強く受けた中華文化圏に属する国です。その昔、中国では日本を『倭』と呼び『遥かに遠い国』を意味し、一方のベトナムは『越』と呼ばれ同様に山を越えて着く遠い国を意味するようです。中国では『中華思想』が根強く文明の中心は中国で、遠隔の地は野蛮な地域であるという『選民思想』的な考え方があるそうです。中国を挟んで両端に位置する日越両国は文化を形成する上で『漢字の影響』を強く受けた兄弟国として捉えて考察すると色々と興味深く学べそうです。皆さんは日本国内でも『越』の漢字を用いた地域名が存在するのを知っていますか? その昔、日本では中国の政治システムを模して『京都』を中心とした国内政権を樹立し国を統治していました。『中華思想』と同様に『京都の政府』は日本国の中心として、山を越えた遠方の日本海側に位置する現在の『新潟県』を『越国』と称し、現在でも『新潟県』内の地域は『上越』、『中越』、『下越』と分割して表現されます。ベトナムの親戚みたいな表現ですね、漢字文化を介在して親近感を感じますね。さて、本題の『ベトナム語』は著者にとって誠に不可解な存在で、アルファベット上に発音記号を表して一見難解、その発音及びイントネーションは更に難解でたじろぎました。ただし、初めて耳にしたベトナム語会話は中国の広東語の語感にそっくりだったので、両言語は何らかの関係があるのかな?と想像しましたが、南部出身の方のイントネーションは広東語の雰囲気があるそうです。 日本人が『ベトナム語』を学習する際に『漢越語』を介在させる学習方法があるようです。ベトナム語の50%以上の単語は中国語が語源で、それを漢字表記したのが『漢越語』だそうです。難解な発音のベトナム語を口語で理解するのは困難ですが、『漢越語辞典』を引いてその語源である『漢字表記』を介してベトナム語を理解することが可能です。最も分かりやすい例として、ベトナム語の『ai』を漢越語で表現すると『愛』となり日本語読みで『アイ』となり、ほぼ同音同義語ですね。更に『cyu y』が『注意』で漢越音が『チューイー』と、『quan ly』が『管理』で漢越音が『クアンリー』となるそうです。更に更に、ベトナム人の名前の半分以上の語源が漢越語のようで、例えば、知人の『ヒエン』さんのお名前の語源は『飛燕』とのこと、命名するときの親御さんの子に託す心が、我々日本人の目に浮かびますね。今回の考察は『漢字文化の伝播』のテーマだったかも知れませんね。