わさび ワサビ 山葵
皆さん、『ワサビ』を試したことがありますか?冷たいそばを食べる時の『出汁(つゆ)』に『薬味』として加え、その風味や辛さでつゆの味を引き締めます。ワサビが多過ぎて鼻を抜けるツーンとくる刺激に耐えきれず涙を流したり、その刺激の強さに耐えきれず『ワサビは苦手』と距離を置く人も多くいます。著者の且つてのシンガポールの同僚と『寿司』を食べたとき、『わさび』と相性が悪かったか、涙を流しゴホゴホと咳き込み大変な事態となったものです。30年以上前の話でした。また、子供が寿司を食べる時に『さび抜き』でお願いしますとワサビ無しの寿司を注文したりします。ワサビの原産地は日本で、山地の清水が湧く湿地に原種は自生していたようです。その生育条件は清水であることが必須で、山沿いの清水が湧く口に稲作の棚水田のイメージで、水の流れに沿って段々に『ワサビ田』を起こして植え付けます。『ワサビ』は『アブラナ科』に属し、ダイコン、カブ、キャベツ、白菜等と同類です。ダイコンと同様に上部の葉や茎を茹でて『お浸し』にして食べることもでき、根部同様にピリッとした風味を楽しめます。根部はダイコンおろし同様に『おろし金』を使用しペースト状におろし、メインの食材を香り、風味と辛味で引き立てます。まさしく主役を引き立てる『名バイプレイヤー』です。代表的なおろしワサビ(ワサビペースト)の使用例は『さしみ』です。昨今は、マグロ等の刺身の上に箸で少量のワサビを乗せて、その反対側に醤油をちょいと付けて食べるのが『ワサビの風味』 が際立つ粋な食べ方とされています。著者のような爺の年代ですと、醤油皿の醤油にワサビを溶かした醤油にどっぷりと浸して食べる方が旨く感じるのですが。ワサビは刺身の生臭さをその風味で爽やかにし、鼻を抜けるツーンとした独特の辛味は食欲を増進させます。後は、冷たい『ざるそば』を食べる際、『つゆ』にワサビを混ぜるのも定番です。ベトナムの方には行儀が悪いと叱られそうですが、日本人にとってはズルズルと音を立てて麺をすすり、ツーンと鼻を抜けるワサビの辛さと相まって食欲を増進させます。ざっと調べたところ、中国にてワサビを用いる中華料理は無いようです。ワサビ好きな中国の方は多く、日本食レストランで楽しんでいるそうです。西欧に目を向けますと、同様にアブラナ科の『ホースラディッシュ』がワサビに該当し日本では『西洋わさび』と呼ばれ、日本原産のワサビは『本ワサビ』と称し区別しています。『西洋わさび』の香りは『本わさび』に比べ弱くダイコンおろし風の香りのようで、コンビニ等で販売される簡易タイプのチューブ式ワサビの原料として使用されているとのことです。西欧料理で『ホースラディッシュ』はローストビーフの薬味として添えられたり、ドレッシングの辛味として使用されるようです。