Study1 日本のあいさつ
Greetings of Japan (日本のあいさつ)
どこの国でも「あいさつ」は共通してありますが、その方法や言葉は国によってさまざまです。外国人の方からすると、少しややこしいと思うかもしれない日本のあいさつ。その意味や、職場でも使う日常のあいさつをご紹介します。
日本では、時間帯によってあいさつのことばが変わります。 ●朝の時間帯、〜11時頃までは「おはようございます」(英語で言うと、Good morning) ●昼の時間帯、11〜17時頃までは「こんにちは」(英語で言うと、Hello) ●夜の時間帯、17時頃〜は「こんばんは」(英語で言うと、Good evening) というように変化しますが、時間帯が厳密に決まっている訳ではありません。明るい時間帯なら「こんにちは」、薄暗くなってきたら「こんばんは」というイメージです。
しかし、仕事上のあいさつでは少し異なります。出勤して始めのあいさつは、「おはようございます」ですが、それ以降のあいさつは、「おつかれさまです」になります。また、退社するときには、「お先に失礼します」と言います。よく、上司が「ご苦労さま」と口にするかもしれませんが、これは目上の人が使うあいさつの言葉なので、先輩や上司に対して使うのは良くありません。
日本語は、上下関係によっても言葉が変化するのでそこが難しいところでもありますね。しかし、あいさつはコミュニケーションの基本であり、職場では必須のマナーとなります。あいさつから会話が広がるきっかけにもなりますので、間違いを恐れず積極的に日本のあいさつをしてみるといいかもしれないですね。
また、日本では、食事をするときにも「あいさつ」をします。食べる前に「いただきます」、食べた後に、「ごちそうさまでした」と、どちらも手をあわせながらと言うのが一般的です。国や宗教によっては、食べる前、神に感謝を捧げるところもあるようですが、それとはまた意味が異なるようです。それでは、「いただきます」とは、いったいどういう意味を持つのでしょうか。
まずひとつは、料理を作ってくれた人、配膳してくれた人、食材を育ててくれた人への感謝の気持ちです。考えてみると、カレーライスを一皿食べるのにも、数え切れない程の人数が関わっていますね。その食材へ携わった全ての人に対する感謝の気持ちが込められているのです。
もうひとつは、食材そのものに対する感謝の気持ちです。わたしたちは、動物や野菜などから命をもらっています。「いただきます」という言葉の中には、「あなたの命をいただきます」という意味が込められているのです。
日本人でも、なぜ「いただきます」を言うのかと聞かれても、答えられない人が多いかもしれません。しかし、改めて本来の意味を見つめ直してみると、「いただきます」はとても素敵な言葉のようにも思えますね。世界でも、このような意味のあいさつをするのは日本だけのようです。皆さんも、食事をする前にぜひ一度、感謝の気持ちを込めて「いただきます」と言ってみてください。